Listeningテスト@TOEIC Listening & Reading Testでは、話し言葉の英語をあなたがどれだけ理解できるかを試されます。Part 1~4の4部構成で、各パートの始めに”Directions”と言って、テスト内容の説明があります。もちろん、テスト内容を予め知っていれば、テスト中に耳を傾ける必要はありません。Listeningテストの所要時間は約45分、Part 1で6問、Part 2で25問、Part 3で39問、Part 4で30問の計100問の出題です。
Part 1: Photos
Part 1は写真描写問題です(6問)。問題冊子に印刷された1枚の写真に対して、4つの描写文が読み上げられますので、写真に表示されているものを最もよく表す描写文を1つ選択します。
TOEIC Listening Part 1 公式サンプル問題
例えば、下記のような写真&描写音声です。(公式サンプル問題より。描写は問題冊子に印刷されず、聞き取るのみです。)※英語音声の再生速度をプレーヤの歯車マークから変えられます
(A) He’s shoveling some soil. (シャベルで土をすくっています)
(B) He’s moving a wheelbarrow. (手押し車を動かしてます)
(C) He’s cutting some grass. (草を刈っています)
(D) He’s planting a tree.(木を植えています)
読み上げられる描写文は簡潔、つまり、文章構造がシンプルなので、基本的な文法と、必要な英単語を発音込みで知っていれば解くことができます。※正解は(A)
従って学習方法としては、英単語学習をしながら、短めの文章を聞く・読むを繰り返せば一石二鳥です。もちろん、あなた自身が意味を理解できるスピードで聞いたり、読んだりすることが大切です。再生速度を調整できる素材を使って学習するか、より簡潔で基礎的な単語学習から徐々に慣れていくのも効果的です。繰り返しになりますが、英文を何も考えずに聞いたり読んだりしても無駄で、意味を理解しながら聞く、読むことが大切です。
Part 1のポイントは、描写文が読み上げられる前に写真をよく見ておくことです。物の位置関係、例えば、高層ビルが川の向こうに見えるとか、ボートが川を走っているとか、あるいは、人物の様子、例えば、女性がサングラスを掛けているとか、サングラスを掛けようとしている(現在進行系)とか、写真を事前に良く見て、読み上げられそうな描写文を想像すると良いでしょう。
Part 2: Question-Response
Part 2は会話応答問題です(25問)。質問もしくは何かしらの1つの発言に続いて、それに対する応答が3つ読み上げられます。最初の発言、それに対する3つの応答のいずれの英文も問題冊子には印刷されておらず、1回だけ読み上げられるのを聞き、最適な応答文を1つ選択します。
TOEIC Reading Part 2 公式サンプル問題
例えば、下記のような質問&応答です。(公式サンプル問題より。いずれの英文も実際には問題冊子に印刷されず、聞き取るのみです。)※英語音声の再生速度をプレーヤの歯車マークから変えられます
(新しいファックスはどこにあるの?)
(B) I’ll send a fax tomorrow.(明日ファックスを送るよ)
(C) By Wednesday.(水曜までだよ)
会話形式ですので、文頭に注意しましょう。文頭が疑問詞であれば、それがWhereなのかWhenなのか、しっかり聞き取れることが勝負の分かれ目です。これは普通の日常会話でも同じでしょう。※正解は(A)
また、下記のように、最初の発言の文頭が疑問詞ではない場合もあります。(公式サンプル問題より。いずれの英文も実際には問題冊子に印刷されず、聞き取るのみです。)※英語音声の再生速度をプレーヤの歯車マークから変えられます
(マーティン、クライアントとの会議に車で行きますか?)
(B) Nice to meet you, too.(私もお会いできて嬉しいです)
(C) I thought went well.(うまく行ったと思いました)
疑問文に対して、Yes/Noでもなく、疑問文に対して疑問文で返す、という日常会話でもありがちな会話になっています。つまりPart 2では、会話が成立する最適な英文を選択するということになります。※正解は(A)
Part 2で読み上げられる英文はPart 1と同等か、それ以上に短く簡単です。だからこそ、正解を導くためには、一言一句を聞き逃してはいけません。また、会話が成立する最適な英文を選択するためには、会話の自然な流れをフォローしなければなりませんが、それは普段の日本語での日常会話でも同じことですので、重要なのは、英文を聞き取れるか否かです。従ってお勧めの学習方法はPart 1同様、英単語学習をしながら、短めの文章を聞く・読むを繰り返すことです。しつこいようですが、英文を何も考えずに聞いたり読んだりしても無駄で、意味を理解しながら聞く、読むことを忘れないでください。
Part 2のポイントは、身も蓋もないですが、英文をよく聞くこと、特に文頭に注意することです。また、Do you ~?やAre you ~?に対して、必ずしもYes/Noで始まる応答分が正解にならないことにも注意して下さい。
Part 3: Conversations
Part 3は会話問題です(39問)。2人か3人の英会話が読み上げられた後に、3つの質問が出題されます。会話文は問題冊子に印刷されていませんが、3つの質問とそれに対する4つの回答候補は問題冊子にも印刷されており、質問文や回答文が読み上げられている間にマークシートを塗る形になります。
TOEIC Listening Part 3 公式サンプル問題
例えば、下記のような会話&質問です。(公式サンプル問題より。実際には会話文は問題冊子に印刷されず、聞き取るのみです。)※英語音声の再生速度をプレーヤの歯車マークから変えられます
(A) To cancel an order
(B) To complain about a product
(C) To redeem a gift card
(D) To renew a warranty
(A) A model name
(B) A brand of coffee
(C) A catalog number
(D) A date of purchase
(A) Provide a discount
(B) Send a free sample
(C) Extend a warranty
(D) Issue a refund
比較的平易な表現ではあるものの、Part 3から、読み上げられる会話の文量が増え、より実際の英会話に近い出題になっています。ちなみに3つの質問は、会話の前半、中盤、後半と順を追って出題されることが多いです。※No.32の正解は(B)、No.33の正解は(D)、No.34の正解は(A)
Part 3のための学習方法は、これまで同様に、英単語学習をしながら、短めの文章を聞く・読むを繰り返すことで語彙力とリスニング力を伸ばすのに加え、Part 3の問題集にひたすらチャレンジすることで英会話そのものに慣れるか、実際に簡単な英会話にトライすることをお勧めします。英会話レッスンでは、先生と生徒で役を分けて台本を読むロール・プレイングが出来ますので、自然な英会話に慣れ親しむことができます。これによって、リスニング力だけでなく、ついでにスピーキング力も向上させられます。言うまでもありませんが、話せないものは聞き取ることも難しいので、リスニング力とスピーキング力はある程度相関します。また、英単語学習をしながら文章を聞く・読むという孤独な英語学習よりも、先生という相手がいた方が、取り組みやすい側面もあります。しかしここでも強調したいのは、決して聞き流さず、意味を理解しながら会話するようにしましょう。
Part 3のポイントは、会話を聞く”前”に、質問文と回答文を読むことです。Part 3が始まったら、”Directions”と言って、内容の説明がありますが、真面目に聞いている場合ではありません。その間に、1問目の会話に対して印刷されている質問文と回答文を先読みしてしまって下さい。少なくとも質問文だけは絶対に読み終えて下さい。そして、1問目の最後の質問文が読み上げられている間に、2問目の質問文と回答文を先読みしてしまって下さい。また、問題冊子のページをめくるときに流れる“GO ON TO THE NEXT PAGE”の音声指示のときも、のんびりページをめくっている場合ではありません。さっとページをめくり、質問文と回答文を先読みしましょう。
上記の問題の例だと、先読みしながら下記のような情景が想定されます。
- (前半)女性が何かの用事で電話する、注文をキャンセル?何かの文句?
- (中盤)男性が女性に何かを尋ねる、モデル名?購入日?
- (後半)男性が何かを申し出る、割引?払い戻し?
予備知識ゼロで会話を聞くのと、情景を頭に入れた状態で会話を聞くのでは、100m走を準備運動無しで走る運動会の小学生と、オリンピックの100m決勝に向けて準備運動十分のウサイン・ボルト選手ぐらい違います。必ず先読みし、リスニング中は答えを探しながら聞くことで、正答率を上げられます。
従ってPart 3では、語彙力、リスニング力、英会話への慣れに加え、限られた時間で文章を読み理解する速読力が必要です。これはむしろReadingテストに向けた英語学習で身につけられるものですが、Listeningテストにも効いてくるということです。
Part 4: Talks
Part 4は説明文問題です(30問)。メッセージやアナウンス、スピーチ、ナレーションなど、1人のスピーカーによるミニトーク英文が読み上げられた後に、3つの質問が出題されます。Part 3同様、説明文は問題冊子に印刷されていませんが、3つの質問とそれに対する4つの回答候補は問題冊子にも印刷されており、質問文や回答文が読み上げられている間にマークシートを塗る形になります。
TOEIC Listening Part 4 公式サンプル問題
例えば、下記のような説明文&質問です(公式サンプル問題より、説明文は実際には問題冊子に印刷されず、聞き取るのみです)。※英語音声の再生速度をプレーヤの歯車マークから変えられます
Hello, Mr. Lee. This is Thomas from BKS auto shop calling with some information about your car repair. I know we told you that it would take until next week to get the part we ordered, but we got the part early, and I was able to finish the repair. We’re going to be closing for the day in a few minutes, but you’re welcome to come get your car anytime tomorrow. If you need a ride to the shop tomorrow, let me know and I can arrange one for you.
(A) It is not required.
(B) It has been finished early.
(C) It will be inexpensive.
(D) It is covered by a warranty.
(A) Today
(B) Tomorrow
(C) Next week
(D) In two weeks
(A) Look for a used part
(B) Refund the cost of a charge
(C) Send an invoice
(D) Arrange a ride
Part 4は読み上げられる英文が長い上に、少し凝った内容になるので語彙も難しくなります。従ってある程度のレベルのリスニング力、語彙力が求められます。※No.71の正解は(B)、No.72の正解は(B)、No.73の正解は(D)
Part 4のための学習方法は、より一層の英単語学習と、リスニング力の強化になります。加えて、長文の内容を理解するための読解力も必要です。特にリスニング力と読解力の強化に効果を発揮するのが、シャドーイング(英文を聞きながら、少し遅れて真似ながら口に出すこと)とディクテーション(英文を聞きながら、その英文を書き出すこと)です。Part 4の問題集の説明文や、同程度の長さの英文を使ってトライすると効果的です。ただ個人的には、ディクテーションは書き出すのにそれなりの時間を要することから、シャドーイングの数をこなす方が良いのかなと思っています。また、毎回長文を使ってシャドーイングするのもしんどいので、単文で数をこなしても良いかなとも思います。いずれにせよ、聞き取れて(リスニング力)、かつ、意味を理解できる(読解力)速度に調整して特訓するのが最適です。地道な英語学習方法ですが、あなたの英語力を飛躍的に伸ばすことが出来ます。
Part 4のポイントまず、イントロダクションもしっかり聞いて情報を得ることです。上記の問題の例だと、”telephone message”となっていますので、誰か宛ての電話のメッセージが読み上げられることが分かります。
また、Part 3同様、説明文を聞く”前”に、質問文と回答文を読むことも重要です。Part 4が始まったら流れる、”Directions”の間に、1問目の説明文に対して印刷されている質問文と回答文を先読みしてしまって下さい。少なくとも質問文だけは絶対に読み終えて下さい。そして、1問目の最後の質問文が読み上げられている間に、2問目の質問文と回答文を先読みしてしまって下さい。また、問題冊子のページをめくるときに流れる“GO ON TO THE NEXT PAGE”の音声指示のときも、さっとページをめくり、質問文と回答文を先読みしましょう。
先読みしながら、上記の問題の例だと、下記のような電話メッセージが想定されます。
- (前半)修理について何か言っている、修理が必要なかった?早く終わった?
- (中盤)車を取りに来れるタイミングを伝えている、今日?明日?
- (後半)男性が何かを申し出る、中古パーツを探す?配車を手配する?
予備知識ゼロで説明文を聞くのと、想定を頭に入れた状態で会話を聞くのでは、試験前に先生が出るところを教えてくれる期末試験と、突然行われる抜き打ちテストぐらい違います。必ず先読みし、リスニング中は答えを探しながら聞くことで、正答率を上げられます。
従ってPart 4でも、一段レベルの高い、語彙力、リスニング力に加えて、限られた時間で文章を読み理解する速読力が必要です。速読力はReadingテストに向けた英語学習でしっかり身につけましょう。
一方で、Part 4の内容をしっかり聞けて、理解できるようになれば、あなたの英語力は、日常生活では不便が無いレベルですし、海外映画も英語のまま、そこそこ聞き取ることができるでしょう。
最後に
TOEIC Listening & Reading TestでのListeningテストでは、話し言葉の英語をあなたがどれだけ理解できるかを試されますが、ここまで見てきたように、Part 1からPart 4まで難易度が上がっていきますので、あなたのレベルに応じて、重点的に学習するパートを分けると良いでしょう。
・英単語学習をしながら、短めの文章を意味を理解できるスピードで聞く・読むを繰り返すことによる、語彙力強化とリスニング力強化
・英会話そのものに慣れるための、英会話へのトライ
(リスニング力とスピーキング力はある程度相関します)
・シャドーイングもしくはディクテーションによる、リスニング力と読解力の強化