TOEFLは、英語を母国語としない人々の英語コミュニケーション能力を測るためにETSにより開発された、英語の「読む」「聞く」「話す」「書く」の4技能の総合的なテストです。英語圏の大学・大学院の多くが、留学希望者の英語能力を測定する際に使用しています。

英語圏の大学・大学院でやっていける英語のレベルなのか?が問われるので、同じくETSにより開発されているTOEICと比べると、レベルは高いです。また、TOEFLも合否ではなく、スコアで結果が返ってきますので、現時点でのあなたの実力を測定するのに良いテストですし、目標とのギャップを知るのにも良いツールだと思います。TOEICに飽きた方、TOEICを制覇した方、次の挑戦としていかがでしょうか?

TOEFL 概要

TOEFLテストの詳細は、公式サイトをチェックして頂くとして、ここでは受験にあたって知っておくべき最低限の概要を、公式サイトのリンクと共に記します。

TOEFLテストの内容

Readingセクションでは、公式のWhat Is In the Reading Section?で解説されているように、大学の教科書レベルの文章を読んで、10個の設問に回答します。パッセージの長さやレベルは、公式のサンプルを御覧下さい。回答は全てコンピュータ上で選択する形式です。大学の教科書レベルですので、見慣れない専門英単語も出てきますが、文章中か、欄外に意味が記載されています。公式の解説では、出題される設問のタイプも詳しく解説されています。

Listeningセクションでは、公式のWhat Is In the Listening Section?で解説されているように、大学の講義を聞いて6個の設問に回答する問題と、先生と学生などの会話を聞いて5個の設問に回答する問題の2種類があります。回答は全てコンピュータ上で選択する形式です。音声はヘッドセットを付けて聞きます。正解を複数選ぶ場合もありますので御注意下さい。読み上げられる英語音声は、かなりナチュラルな発音・イントネーション・スピードですので、慣れが必要でしょう。取り上げられている講義や会話の長さやレベルは、公式のサンプルでも確認できますが、音声が無いので公式の解説動画をチェックし、実際に体験するのが良いです。公式の解説動画では、出題される設問のタイプも詳しく解説されています。

Speakingセクションでは、公式のWhat Is In the Speaking Section?で解説されているように、あなたの考えや意見、経験を述べる”Independent task”が1問、文章を読んた後に会話や講義を聞いて設問に回答したり、講義を聞いて設問に回答する”Integrated tasks”が3問の計4問の出題です。回答はヘッドセットを付けて、マイクに向かって話す形式です。公式のサンプルにも問題は記載されていますが、音声がありませんし、特にIntegrated taskの流れはReadingとListeningとSpeakingの複合ですので、公式の解説動画をチェックし、Speakingセクションの雰囲気や答え方を体験することをお勧めします。

Writingセクションでは、公式のWhat Is In the Writing Section?で解説されているように、まず文章を読み、それに関する講義を聞いて、それらを要約する”Integrated task”が1問、出されたお題に対してあなたの経験や意見に基づいた小論文をまとめる”Independent task”が1問の計2問の出題です。回答はキーボードを使ってコンピューターに打ち込む形式です。公式のサンプルにも問題は記載されていますが、音声がありませんし、特にIntegrated taskの流れはReadingとListeningとWritingの複合ですので、公式の解説動画をチェックし、Writingセクションの雰囲気や答え方を体験することをお勧めします。

各セクションの問題数とテスト時間

テスト時間は2019年8月から30分短縮され、トータルで3時間になりました。問題数が下表のように削減された結果です。TOEIC Listening & Reading Testが45分+75分のトータル2時間ですので、SpeakingとWritingの分で1時間ほど長い、という格好になります。

Reading、Listening共に、3-4、2-3パッセージとなっているのは、ReadingかListeningのいずれかでダミー問題が出題されるからです(Readingが4パッセージなら、Listeningが3パッセージ+2パッセージ)。どれがダミー問題かは分からないので、いずれにせよ全力で解かないといけません。

旧形式現在
Reading問題数:3-4パッセージ
設問数:各12-14問
時 間:60-80分
問題数:3-4パッセージ
設問数:各10問
時 間:54-72分
Listening講義
問題数:4-6パッセージ
設問数:各6問
会話
問題数:2-3パッセージ
設問数:各5問
時 間:60-90分
講義
問題数:3-4パッセージ
設問数:各6問
会話
問題数:2-3パッセージ
設問数:各5問
時 間:41-57分
休憩10分間10分間
SpeakingIndependent task:2問
Integrated task:4問
時 間:20分
Independent task:1問
Integrated task:3問

時 間:17分
WritingIntegrated task:1問
Independent task:1問
時 間:50分
Integrated task:1問
Independent task:1問
時 間:50分
TOEFL 問題数とテスト時間

TOEFL受験料

受験料は公式-TOEFL iBT受験料にある通り235ドルです。TOEICが6,490円ですので、比較すると非常に高額です。さらに、受験日の7日前から4日前までの直前予約になると275ドルになります。

最寄りのテストセンターとテスト実施日

TOEFLは公認のテストセンターで実施されており、最寄りのテストセンターとテスト実施日は、公式-テストセンターとテスト実施日から検索できます。検索する際は、川崎ではなくkawasakiとローマ字で入力してください。公認テストセンターで年間60回以上実施されている、というだけあって、毎週末テストが実施されています。

TOEFLテストの申込み

申込みの流れは、公式動画の通りですが、おおまかには下記の通りです。

1
アカウントを作成

電話番号のところは、Japan – 81となっているので、電話番号の最初のゼロを抜いた番号を入力しましょう

2
作成したアカウントでサインイン

公式テスト対策商品の購入もできますが、TOEFLテスト日本事務局が運営する公式オンラインショップだと、演習問題と3セットの実践もしが収録された公式ガイド日本語版の購入が可能です

3
Register / Find Test Centers, Datesから日付とテストセンターを選んで申込み

パスポート(PASSPORT)、運転免許証(Drivers License)、マイナンバーカード(National ID)といったIDが必要です
スコアを入学したい大学・大学院に通知するなら忘れずに登録しましょう

TOEFLテスト当日の流れ

試験当日の流れは、公式の動画を参考にして下さい。テスト申込時に登録したIDだけは忘れないように持参しましょう。

受付(秘密保持契約へのサイン、荷物*をロッカールームに預ける、写真撮影)が終わり、テストブースに案内されると、スタッフがパソコンをセットアップしてくれ、メモ用紙3枚と鉛筆1本を渡してくれます。
*10分休憩用に、水や栄養ドリンク、チョコなどを持参し、カバンから出しておくと良いです

パソコンの設定完了後、あなたの名前と顔写真がモニターに表示されますので、間違いがなければ「Continue」をクリックします。その後、ヘッドセットを付けての音声テストが始まります。”Describe the city you live in”と指示されますので、”Your volume has been adjusted”となるまで適当に話します。多くの人は、”I live in Tokyo.”と繰り返しています。指示に対する答えになっていませんが、問題ありません。

注意点としては、テストの終了時の”スコアのキャンセル”があります。そもそもこの選択肢は、より良いスコアを入学したい大学・大学院に通知するための機能で、テスト終了後に即座に提示されるReadingとListeningのセクションのスコアを参考に、どうするか決めるものです。

自分の実力を測るためにTOEFLを受けるかたは、”キャンセルしない”ようにしましょう。もし万が一間違えてキャンセルした場合も、テスト実施日から60日以内にスコアの取り戻し申請が受領されれば、スコアキャンセルを取り消すことができます。

TOEFL Tips

周りの音声に出来るだけ邪魔されないために

テストセンターには、テスト開始時間の30分前まで、あるいはもっと早く着くようにしましょう。具体的には、テスト開始時間の10時に対して、9時過ぎ到着です。TOEFLテストは受付をした順番で始まるので、早く行くと先にテストを開始できます。逆に遅く行くと、先発組がSpeakingセクションで話している横でListeningセクションに挑むことになり、若干集中しにくいです。ですので、先発組を目指して早い時間、9時過ぎにテストセンター到着を目指しましょう。

ところが先発組としてTOEFLテストを始めると、Readingセクション中に、周りから”I live in Tokyo.”, “I live in Tokyo.”, “I live in Tokyo.”と聞こえてきてしまいます。そこでお勧めするのが耳栓の持ち込みです。テストブースに案内される際のセキュリティチェックで、耳栓を見せればOKです。Readingセクションと、WritingセクションのIndependent task、つまりTOEFLテストの最初と最後は、耳栓を付けて臨みましょう。普段から装着に慣れておくことも忘れずに。
※耳栓は単色でないといけないという情報もあります

休憩時間の過ごし方

Readingセクションが終わった後、指示画面が現れます。ここでNextボタンをクリックしなければ、指示画面のまま2~3分程度休憩できます。その後、自動でListeningセクションに移行します。

Listeningセクション後は10分間の休憩です。Listeningが終わると、10分間のタイマーが画面上でカウントされ始めます。そのままテストブースにいても良いのですが、部屋を出て、用意しておいた水や栄養ドリンク、チョコなどを摂取し、疲れた脳のために糖分を取った方が良いです。カフェインが入ったエナジードリンクでシャキっとするのも良いでしょう。トイレに行くのも忘れずに
もしListeningセクションでメモ用紙を使っていたら、新しいメモ用紙を試験官に求めましょう。SpeakingとWritingセクションでは、メモする量が多くなります。

日本人向けTOEFLスコアイメージ

一般的な交換留学・大学進学では80点〜、大学院やMBA留学では100点が目安になります。下記のイメージを参考に、目指したいトータルスコアに対して、スコアが足りていないセクションを積極的に強化しましょう。

TOTALReadingListeningSpeakingWriting
80点20点20点20点20点
100点26点25点23点26点
105点28点25点24点28点
112点30点26点26点30点
114点30点28点26点30点
120点(満点)30点30点30点30点
TOEFLスコアイメージ

2019年8月1日から、”MyBestスコア”というシステムがスタートしました。これは過去2年以内のすべてのテストにおける最高のセクションスコアを組み合わせたスコアを提示するものです。1回のテストの中で、4セクション全てでベストスコアを叩き出すのはなかなか大変でしたが、このシステムでそのストレスから開放されるでしょう。”MyBestスコア”を受け入れてくれる大学も増えているようです。

最後に

下記の記事でも述べましたが、英語学習を継続するためには、現在の実力を知ること、小さなゴール(マイルストーン)を設定して達成していくことが非常に重要です。そのツールとして、TOEICやTOEFLのような、結果がスコアで返ってくるテストはとても役に立ちます。

TOEFLはSpeakingやWritingセクションもありますし、全体的にレベル高めですが、TOEICのスコアが900点を超え、飽きてきたら挑戦するのも良いと思います。
下記より無料で模擬テストも受けられます。
公式-TOEFL iBT 模擬テスト