Listeningセクションでは、大学の講義を聞いて6個の設問に回答する問題と、先生と学生などの会話を聞いて5個の設問に回答する問題の2種類があります。回答は全てコンピュータ上で選択する形式です。音声はヘッドセットを付けて聞きます。正解を複数選ぶ場合もありますので御注意下さい。読み上げられる英語音声は、かなりナチュラルな発音・イントネーション・スピードですので、慣れが必要でしょう。取り上げられている講義や会話の長さやレベルは、公式のサンプルでも確認できますが、音声が無いので公式の解説動画をチェックし、実際に体験するのが良いです。公式の解説動画でも、出題される設問のタイプが解説されていますが、ここでは、加えて解答のコツや時間配分を提示します。
TOEFL Listening Section Profile
出題形式
- 出題数、設問数、制限時間の組み合わせは下記Pattern 1かPattern 2
- 設問はいずれも基本的には4択問題です
- 出題Pattern 1
- Conversation: 2 Passage + Lecture: 3 Passage = 計 5 Passage
- 出題Pattern 1の流れ: 下記Part AとPart Bの組合せ(順番は入れ替わる可能性あり)
- Part A = Conversation 5問 → Lecture 6問 / 6分半 or 7分
- Part B = Conversation 5問 → Lecture 6問 → Lecture 6問 / 10分
- 出題Pattern 2 *ダミー問題含む
- Conversation: 3 Passage + Lecture: 4 Passage = 計 7 Passage
- 出題Pattern 2の流れ: 下記Part AとPart BとPart Cの組合せ(順番は入れ替わる)
- Part A = Conversation 5問 → Lecture 6問 / 6分半 or 7分
- Part B = Conversation 5問 → Lecture 6問 → Lecture 6問 / 10分
- Part C = Conversation 5問 → Lecture 6問 / 6分半 or 7分
- 出題Pattern 1
スコア目安
- ダミー問題を除いたPart A(もしくはPart C) + Part Bの28問で採点される
- 25点取るための目安 = 4問間違えてOK
- 23点取るための目安 = 5-6問間違えてOK
- 20点取るための目安 = 8問間違えてOK
TOEFL Listening Section Tips
Conversation
- 大学生活であり得る下記のような会話が繰り広げられます
- レポートの提出の期限やトピックについての相談の会話
- 履修登録するための必修科目などに関するやり取り
- 学生同士の履修やレポートにまつわる会話
- Lectureと比較して、よりくだけた日常的な英語表現が使われる傾向にあります
- 回答時間の目安は3分 → 36秒/Q
- 登場人物
- Student+Professor@教授室 ※いわゆるOffice hoursでの会話
- Student+大学Staff@図書館、履修登録課、教務課
- Student+Student
- 会話の展開
- Gist(Problem, Purpose)
- Suggestion ※学生と教授の掛け合いなので生徒のreponseも重要
- Next Action
- Tips
- Conversation内に具体例が出てきたら何故具体例を出したのか問題が出がち
- Listen Again問題は最後が大事
Lecture
- 科学、社会科学、ビジネス、芸術、文学など、アカデミックな素材が中心です
- 回答時間の目安は3.5分 → 35秒/Q
- 登場人物
- Professor ※教授が学生に向かって一方的に講義を行う形式
- Professor+some students ※参加型の講義で、教授が授業内容を聞いたりする形式
- 展開
- Gist
- Detail
- 対比・比較 ※特に多い
- 抽象から具体化 ※専門用語 → 定義の説明 → 具体例を挙げての解説
- 因果関係 ※結果や理論 → その根拠
メモについて
メモを取る取らないは、個人の特質が影響します。聞いた内容をどれだけ脳内に保持しておけるか、メモを取っている間もリスニングに集中できるかどうか、人によって程度の差がありそうです。個人的には、必要最低限の単語を少しばかりなぐり書きする程度に留めています。読み上げられる文章の論理構成に従いながら、矢印を駆使してメモを取ると良いと思います。
重要なことは、読み上げられる文章の内容を理解することです。英語の文章の構造は、起承転結型ではなくロジックツリー型です。つまり、全体から徐々に掘り下げていく形で、最初に主旨・要点が述べられ、それを支持する内容や具体例が語られていきます。読み上げられる情報1つ1つを覚えてやろうという意識より、内容を理解してやろうという意識でテストに臨むのが良いです。
ですので、内容を理解することに集中しながら、具体例が出て来たら、ちょこちょこメモを取る、ぐらいが良いのでは、と個人的には考えています。
Campus Vocabulary
学校内の施設・寮など
check out | (図書館で本を)借りる・貸し出しする |
room and board | 寮費と食費 |
doom (dormitory) | 寮 |
lab coat | 白衣 |
bulletin board | 掲示板 |
auditorium | 講堂 |
on campus | 大学構内で |
off campus | 大学外で |
学生・職員など
undergrad (undergraduate) | 学部生 |
grad (graduate) | 大学院生 |
freshman | 1年生 |
sophomore | 2年生 |
junior | 3年生 |
senior | 4年生 |
faculty | 教授陣、先生たち、教員たち |
dean | 学部長 |
academic adviser | クラス履修などのアドバイザー |
secretary | 学部の職員で生徒の相談窓口になる人 ※秘書さんではない |
board of trustees | 大学評議委員会 |
grant | 助成金 |
履修登録など
be/get accepted to… | …に合格する |
scholarship/financial aid | 奨学金 |
transfer | 転入する |
placement test | クラス分けテスト |
registration office | 履修登録課 |
registrar | 教務(成績登録)課 |
add a class | 追加履修登録する |
drop/withdraw/withdrawal | 履修取消(をする) |
required subject | 必須科目 |
elective subject/elective | 選択科目 |
prerequisite | ある科目を履修するために必要な必須科目 |
liberal arts | 一般教養科目 |
tuition | 授業料 |
bursar/controller/cashier’s office | 会計係 |
授業・試験・卒業など
associate’s degree | 準学士号 |
bachelor’s degree | 学士号 |
master’s degree/Ph.D. | 修士号/博士号 |
semester | 2学期制の学期 |
quarter | 4学期制の学期 |
term paper | 学期末レポート |
paper | 論文 |
essay | 小論文 |
thesis | 学位論文 |
bibliography | 文献目録 |
plagiarism | 盗用 |
submit/turn in/hand in | 提出する |
probation | 仮及第期間 |
kick out/expel | 退学させる |
interlibrary loan | 図書館同士での図書の貸し出し |
Question Types of the Listening Section
Type 1: Gist-Content / Gist-Purpose Questions
Gist-Content Questionsは、Conversation/Lectureの主旨・要点が問われる設問、Gist-Purpose Questionsは、Conversation/Lectureの目的が問われる設問です。いずれかが第一問に登場します。
設問文の例:Gist-Content Questions)
・Mainly about
・Mainly discussing
・What problem …
設問文の例:Gist-Purpose Questions)
・Why does the student … ?
・What is the main purpose … ?
・Why did the professor ask … ?
・ほとんどの場合、読み上げられる文章の冒頭で主旨や要点、目的が語られるので集中する
・主旨や要点、目的は、先生や学生への質問の形を取ることもあるので注意する
・語られていないもの、内容と異なるもの、些細な情報は不正解の選択肢
・読み上げられる文章の内容を抽象化したような表現を含む選択肢は正解の可能性が高い
Type 2: Detail Questions
Conversation/Lectureで述べられた情報が問われる設問です。ほとんどの場合、読み上げられる文章の主旨や要旨に直接結びつくような情報が問われます。
設問文の例)
・According to …
・What is … ?
・Who is … ?
・読み上げられる文章全体の論理構成や、主旨・要旨に結びつく情報をしっかり聞き取る
・教授が重要だと考えてそうな内容とその理由、学生が抱えている問題や解決策を聞き取る
・専門用語が登場した場合、その定義や具体例を聞き取る
・Detailを抑えようとメモを取りまくらないように注意!!
・語られていないもの、内容と異なるもの、些細な情報は不正解の選択肢
Type 3: Function Questions
教授や学生の発言が会話のなかで果たすFunctionが問われる設問です。ここでのFunctionとは例えば、その発言の”役割”、どういう”意図”での発言なのか、といったところです。Conversation・Lectureの一部が再生されて、その後に設問文と選択肢が表示されます。
設問文の例)
・What does the professor mean when he says … ?
・What does the professor imply when he says … ?
・Why does the student say … ?
・読み上げられる文章のコンテクストを掴む
・選択肢を吟味し、発言した人の意図として最も適切なものを選択する
Type 4: Attitude Questions
話し手のAttitudeやfeelingsが問われる設問です。例えば、話し手がどの程度確信を持っているか、好んでいるか嫌っているか、支持しているかしていないか、といったことです。
設問文の例)
・What is the Professor’s attitude?
・What does the student think about … ?
・What can be inferred … ?
・What I think…や It seems to me…といったフレーズを聞き逃さない
・ある話題に対する話し手の確信度合いや立ち位置(ネガティブかポジティブ)を良く聞く
・話し手の声の調子がヒントになることがある
・話し手の態度として最も適切なものを選択する
Type 5: Organization Questions
Conversation・Lecture内で述べられた具体例などの情報が、どのような内容と結びつくかが問われる設問です。
設問文の例)
・Why does the professor mention … ?
・Why does the professor discuss … ?
・Why does the professor talk about … ?
・ディスコースマーカー(論理マーカー)をヒントに、全体の論理展開を意識する
・一見脱線しているような余談も、主旨・要旨に対してどういう意味を持つのか意識する
・設問文の…の部分に直接結びつく情報として最も適切なものを選択する
Type 6: Connecting Content Questions
Conversation/Lectureに登場した情報を、論理展開に沿って整理することが求められる設問です。例えば、Steps in a processや、Cause / effect、Classification、Predictionなどを、表に整理したり、複数選択するような設問です。
設問文の例)
・Fill in a table or chart
・What is the likely outcome … ?
・ディスコースマーカー(論理マーカー)をヒントに、全体の論理展開を意識する
・一見脱線しているような余談も、主旨・要旨に対してどういう意味を持つのか意識する
・tableやchartへの分類を求められる場合は、多少時間が掛かることを覚悟する
Type 7: Inference Questions
読み上げられた文章中では直接述べられていないが、話し手の発言から推論できる内容が問われる設問です。
設問文の例)
・What are the implications of … ?
・What does the professor imply … ?
・What will the student probably do next?
・What can be inferred … ?
・ディスコースマーカー(論理マーカー)をヒントに、全体の論理展開を意識する
・一見脱線しているような余談も、主旨・要旨に対してどういう意味を持つのか意識する
・選択肢を吟味し、推論として相応しくない選択肢を消去していく
・空想や飛躍した想像に思える選択肢に惑わされないように注意する
どのように学習するか
リスニング力の向上
そもそもリスニング力を付けるのは一朝一夕では難しいです。毎日の積み重ねが重要で、聞こえるスピード&意味が分かるレベルの英語のコンテンツを、しっかり集中して聞きながら、シャドーイングすることをお勧めします。リスニングに最適なコンテンツについては、下記の記事を参考にして見て下さい。
TOEFL Listeningセクションに慣れる
Conversationでは大学生活であり得る会話、Lectureでは科学、社会科学、ビジネス、芸術、文学など、アカデミックな素材が中心、となっていますので、慣れも必要です。上記”リスニング力を鍛えるコンテンツ”で紹介している、VOA Learning Englishの、Health & Lifestyle、Science & Technology、Arts & Culture、などのコンテンツを聞くと、特にLecture向けの英語学習に良いでしょう。
また、下記の過去問に取り組むのも、テスト自体に慣れることも含めて効果的です。なお、公認ガイド第5版については、2020年7-8月に第6版が発売される見込みで、2019年8月に改訂されたテスト時間や内容について解説されると推測されます。
TOEFL iBTテスト公式テキスト(公認ガイド第5版・日本語訳解説付問題集)
TOEFL iBTテストオンライン模試 TOEFL iBT Complete Practice Test
Shop for Test Preparation
公式以外で有名どころは、下記のDeltaの教材です。こちらに取り組んでから、公式オンライン模試に進むというやり方も一般的な学習スタイルです。
まとめ/最後に
TOEFL Listeningセクションで読み上げられる英文は、大学のキャンパスで繰り広げられる会話であったり、大学の講義であったりと、レベルが高いですし、スピードも早いです。しかしながら、Readingセクション同様、文章自体の論理構成は明快です。ディスコースマーカー(論理マーカー)に注意しながら、主題は何で、その主題がどう分解されて論理展開されているのか、文章構造を把握しながらしっかり聞くことが大切です。
Listeningセクションは聞き取れなければ話は始まりませんので、聞こえるスピード&意味が分かるレベルの英語のコンテンツを、しっかり集中して聞きながら、シャドーイングすることでリスニング力を鍛え、テストに臨みましょう!