Readingセクションでは、大学の教科書レベルの文章を読んで、10個の設問に回答します。回答は全てコンピュータ上で選択する形式です。大学の教科書レベルですので、見慣れない専門英単語も出てきますが、文章中か、欄外に意味が記載されています。パッセージの長さやレベルは、公式のサンプルを御覧下さい。公式の解説動画でも、出題される設問のタイプが解説されていますが、ここでは、加えて解答のコツや時間配分を提示します。

TOEFL Reading Section Profile

出題形式

  • 出題数 = 3-4 Passage *4 Passageの場合はダミー問題含む
  • 設問数 = 10問/passage*
    • 出題が3パッセージなら、合計30問となり、画面上には1 of 30と表記
    • 出題が4パッセージなら、合計40問となり、画面上には1 of 40と表記
  • 3~10 paragraph/passage
  • 1パッセージにつき18分が目安(Readingセクションの時間は54-72分)

スコア目安

  • 基本 1 point/問、Type 9とType 10は2 Point*
  • ダミー問題を除いた 3 Passage分、30問で採点される
  • 30問 = 33 pointsを偏差値を使って30点に調整される
  • 28点取るための目安 = 3-4 point落としてOK
  • 26点取るための目安 = 5 point落としてOK
設問数 10問/passageと、Pointについて

2019年8月に設問数が変更になる前は、3-4 Passageで12-14問/passageでした。
各パッセージ最後の設問は、Type 10の”Fill in a Table Questions”か、Type 9の”Prose Summary Questions”であり、それぞれの配点はType 10が3ポイント、Type 9が2ポイントでした。
このように配点が異なるため、Type 10が出題されるパッセージでは、設問数を1問減らすことで、合計ポイントを揃えていました(Type 1-9はいずれも配点1ポイントの設問です)。
従って、合計の設問数を見ることで、Type 10が出題されるかどうか分かりました。
例えば、画面に1 of 42もしくは、1 of 56と書いてあれば全てType 9の”Prose Summary Questions”というわけです。

ところが、2019年8月の変更で、設問数は公式に10問/passageと幅が無いとされる一方で、公式解説動画ではType 10の”Fill in a Table Questions”も解説されています。
ということは、Type 10の配点が、Type 9と同じ2ポイントに修正されなければなりません。
あるいは、10問/passageが9-10問/passageの間違いで、合計の設問数を見ることで、Type 10が出題されるかどうかが相変わらず分かるのかもしれません。
例えば、画面に1 of 30もしくは、1 of 40と書いてあれば全てType 9の”Prose Summary Questions”というように、です。

このあたり、どちらが正しいかは、2020年7-8月あたりに発売される予定の、Official Guide 6th Editionで明らかになるかもしれません。

TOEFL Reading Section Tips

声を出して読む

ReadingセクションはTOEFLの朝一発目のテストになります。もちろんテストセンターへ向かいながらリスニングなどを行い、頭を切り替えているとは思いますが、ウォームアップがてら、英文を口に出して読みましょう。もちろん小さな声で、です。これによって、口からOutputしながら、目からだけでなく、耳からもInputでき、集中力がUPすると思います。

論理展開を把握する

まずはタイトルを確認し、本文の中身を予想しましょう。予想を立てて読むことで、内容の理解がスムーズになります。

次に本文ですが、英語の文章の構造は、起承転結型ではなくロジックツリー型で、問題の全体から徐々に掘り下げて行く形になります。まず、最初の段落の第1~第2文目までで、全体の文章の主題が述べられます。そして最初の段落の最後の文章が、以降の段落の導入部であり、以降の内容を集約したものになっています。そして以降の段落では、最初の段落で語られた主題を支える根拠や具体例が述べられるのですが、ここでも重要なのは各段落の第1文で、各段落における中心的話題が述べられます。論理展開を把握するためにも、これらの文章は特に集中して読みましょう。

また、論理展開を把握するためには、ディスコースマーカー(論理マーカー)にも注目です。例えば下記のようなものです。*Readingだけでなく、Speakingでも使える表現を含む
◇列挙:first / first of all / in the first place / for one thing / second / last / finally
◇追加:in addition / additionally / besides / also / furthermore / moreover
◇対比:instead / rather / on the one hand / on the other hand / by comparison / on the contrary / in contrast / conversely
◇結果:so / consequently / therefore / accordingly / as a result / for that reason / thanks to
◇結論・要約:in short / in conclusion / in sum / at in all
◇時・時間:recently / lately / sooner or later / from now on / currently / at present / today / nowadays / these days
◇制約:as long as / at least / in a sense / in one sense / in this case / in some cases / at this point / at this time / for now / at best / so far / strictly speaking
◇具体・詳細:for example / for instance / I mean / in other words / that is to say / especially / particularly / specifically / in fact / in effect / in essence / as a matter of fact / actually / namely / more to the point / closer to the point
◇話題転換:anyway / in any case / in any event / by the way / incidentally
こういった英単語を意識することで、文章の論理構造を把握しやすくなります。

問題を解くコツ

本文がそこそこ長く、また、各設問はいずれかの段落に紐付いているので、設問文を確認(選択肢が短ければ選択肢も)してから、答えをサーチするイメージでパッセージを読むと良いです。ですので、設問文とパッセージを行ったり来たりすることになります。なお、回答時に気を付けることとして、パラフレーズがあります。言い換えによってニュアンスが変えられているものも選択肢に紛れ込んでいますので、Bestな回答を選択するように意識しましょう。

Question Types of the Reading Section

Type 1: Factual Information Questions

パッセージにはっきりと書かれている情報を探す設問です。どのQuestion Typesか分からなかったらFactual Information Questionsと考えましょう。
出題頻度:2-3 Questions/passage
回答時間目安:1分~1分半/question

Type 1: Factual Information Questionsの解法

・設問文中の特徴的な単語とディスコースマーカー(論理マーカー)に注目
・設問文中の特徴的な単語をヒントに、パッセージ中に答えが書いてありそうな箇所を探す
・答えが書いてありそうな箇所(場合によってはその前後)から答えの根拠を探る
*パッセージ内の表現が言い換えられがちなので注意

Type 2: Negative Factual Information Questions

パッセージに書かれていない、もしくは書かれている内容とは違う情報を探す設問です。設問文にNOTEXCEPTと入っています。
出題頻度:1-2 Questions/passage
回答時間目安:1分半~2分半/question

Type 2: Negative Factual Information Questionsの解法

・設問文や選択肢の中から特徴的な単語を探す
・本文で触れられている内容を含む選択肢を消去 –> 消去法なのでパッセージ全読み
・設問文 -> 本文 -> 選択肢の順に読むのが基本(選択肢が短ければ、設問文と併せて読む)
*パッセージ内の表現が言い換えられがちなので注意

Type 3: Inference Questions

本文中にはっきりと書かれていないが、書かれている情報から論理的に導き出せる内容を探す設問です。設問文中に、infer, imply, suggestなどの表現が使われます。
出題頻度:1-2 Questions/passage
回答時間目安:1分半~2分/question

Type 3: Inference Questionsの解法

・設問文や選択肢の中から特徴的な単語を探す
・見つけた特徴的な単語をヒントに、パッセージ中に答えが書いてありそうな箇所を探す
*パッセージと選択肢で主体が変わりがちなので注意
(2020年に初めてオリンピックが延期された -> 2020年より前は、オリンピックは延期されたことがなかった)

Type 4: Rhetorical Purpose Questions

パッセージ内でハイライトされた部分の著者の意図や論理構成を問う設問です。下記のような設問文になっています。
・The author discusses X in paragraph 2 in order to
Why does the author mention X?
・The author uses X as an example of …
出題頻度:1-2 Questions/passage
回答時間目安:1分半~2分/question

Type 4: Rhetorical Purpose Questionsの解法

・ハイライトされている表現や上記Xが含まれているセンテンスをパッセージ内から探す
・ハイライトされている表現や上記Xが、そのセンテンスの中で、あるいはその前後のセンテンスとどのような論理関係にあるのかを確認する
*出題頻度の高い論理関係は、抽象 -> 具体です

Type 5: Vocabulary Questions

単語や表現の意味について問われる設問です。知らなければ分からない設問がほとんどで、大学生なら知っているべき単語ですが、専門用語ではありません。
出題頻度:1-2 Questions/passage
回答時間目安:一瞬/question

Type 5: Vocabulary Questionsの解法

・選択肢の中から同じような意味の単語を選び、当てはめてみる

Type 6: Reference Questions

代名詞、指示代名詞、関係代名詞、単語が指している表現を探す設問です。The word X in the passage refers to … といった設問文になります。
このType 6は公式の解説動画では登場しませんが、Official Guide 5th Editionまでは出題されるとされている設問タイプです。もしかすると、2020年7-8月あたりに発売される予定の、Official Guide 6th Editionで姿を消すかもしれません。
出題頻度:0-2 Questions/passage
回答時間目安:1分~1分半/question

Type 6: Reference Questionsの解法

・必ず単数か複数かを確認する
・問われている表現の文法構造を分析する
・問われている代名詞が主語の場合は、その前にある主語をまず疑う
・問われている関係代名詞の直前にある名詞から疑う

Type 7: Sentence Simplification Questions

パッセージ内でハイライトされたセンテンスを別の表現で言い換えた選択肢を選ぶ設問です。Which of the following best expresses the essential information in the highlighted sentence?といった設問文になっています。
出題頻度:0-1 Questions/passage
回答時間目安:2分~2分半/question

Type 7: Sentence Simplification Questionsの解法

・設問文を読む必要無し!!
・ハイライトされたセンテンスに含まれるディスコースマーカー(論理マーカー)に注目する
選択肢にも似たようなディスコースマーカー(論理マーカー)が入るはず
比較級も対比構造になりうるので注意
・ハイライトされたセンテンスに含まれる論理関係を含まない選択肢を消去する
・重要要素が不足している選択肢を消去する
文章構造が変わりがち
(パッセージ: A …, whereas B … -> 選択肢: B …, while A …)
(パッセージ: Since A …, B … -> 選択肢: B …, because A …)

Type 8: Insert Text Questions

パッセージから抜き出されたセンテンスを適切な場所に当てはめる設問です。Look at the four squares [■] that indicate where the following sentence could be attend to the passage.といった設問文になっています。
出題頻度:1 Questions/passage
回答時間目安:1分/question

Type 8: Insert Text Questionsの解法

・設問文を読む必要無し!!
むやみやたらに挿入文を[■]に入れずに、まずは挿入文の分析を行う
挿入するセンテンスの分析を元に、挿入箇所の前後内容を推測する
・分析ポイントは、代名詞、指示形容詞、ディスコースマーカー(論理マーカー)に注目した前後の関係性
・特に挿入文の主語に注目
・挿入箇所の後ろに指示代名詞がある場合、挿入文にその指示代名詞と重なる名詞があるかを確認する

Type 9: Prose Summary Questions

6つの選択肢のうち、3つを選んでパッセージの要約を完成させる設問(順番は不問)です。3つ正解で満点の2ポイント、2つ正解で部分点の1ポイントが与えられます。なお、Type 9か10のいずれかが各パッセージにおける最終設問ですが、Type 9の方が高確率になっています。
出題頻度:0-1 Questions/passage
回答時間目安:2分~3分/question

Type 9: Prose Summary Questionsの解法

・設問文を読む必要無し!!
・提示されているIntroductory sentenceは選択する3センテンスの要約
Introductory sentenceと関連の深いものを選ぶ(特にIntro文の主語に注目)
・パッセージに書かれていない情報を含む選択肢は消去する
パッセージに書かれているが、Main Ideaに触れていない選択肢は消去する
具体例など、Main Ideaを構成するには細かすぎる内容を含む選択肢は正解になりにくい
・抽象的な表現を含む選択肢は正解になりやすい
3つの選択肢でパッセージ全体をカバーするように選択する
・大きな論理展開(対比など)を含む選択肢は正解になりやすい

Type 10: Fill in a Table Questions

パッセージの論理構成をもとに、カテゴリー分けされた表を完成させる問題です。5つ正解で3ポイント、4つ正解で2ポイント、3つ正解で1ポイントが与えられます。上記”設問数 10問/passageについて”に記載しましたが、配点については2020年7-8月あたりに発売される予定の、Official Guide 6th Editionで改訂されるかもしれません。
出題頻度:0-1 Questions/passage
回答時間目安:3分~4分/question

Type 10: Fill in a Table Questionsの解法

・カテゴリーの数と内容を確認し、各カテゴリーに関わる内容を述べている段落をパッセージから探す
・パッセージで触れられていない内容を含む選択肢を消去する
・パッセージには書かれているが、各カテゴリーに属さない選択肢は消去する
*正解となる選択肢で使われている表現が、そのままパッセージの中にあるとは限らないので注意

どのように学習するか

英単語力の向上

TOEFLでは、大学の教科書レベルの文章が出題されますので、そこそこの英単語力が必要です。下記”英語学習につながる英単語学習”で紹介したiKnow!というアプリでは、TOEFLコースが用意されており、お勧めします。

また、下記の教材も有名です。

TOEFL Readingセクションに慣れる

なかなか大学の教科書レベルの文章を英語で読む機会はないのではないでしょうか。そこで良くTOEFLテストのReadingセクションの学習用に使われている教材が下記です。

下記の公式過去問に取り組むのも、テスト自体に慣れることも含めて当然効果的です。なお、公認ガイド第5版については、2020年7-8月に第6版が発売される見込みで、2019年8月に改訂されたテスト時間や内容について解説されると推測されます。

まとめ/最後に

TOEFL Readingセクションで出題される英文は、大学の教科書レベルなので、ある程度の読解力は必要ではあるものの、その論理構成は明快です。ディスコースマーカー(論理マーカー)に注意しながら、主題は何で、その主題がどう分解されて論理展開されているのか、文章構造を把握しながら読み進めると良いと思います。

とは言え、じっくり読み込む時間はありませんので、設問を分析し、パッセージの該当部を素早くサーチするようにしましょう。もちろん、速読力を発揮するためには、いちいち日本語に訳したりせず、前から意味を取っていくようにしましょう。